掛け紙(のし紙)

【基本ののし紙】弔事(ご霊前とご仏前)

香典袋でおなじみですけど

目にする機会も多い不祝儀の掛け紙ですけれど、意外と間違えやすいのです。

ご霊前とご仏前の違いを知ろう

  • のし紙の違いも知っておこう
  • 仏教と神道の違い
  • ご霊前とご仏前の違い
  • 注意点

西日本と東日本の違い

西日本と東日本で違うことは掛け紙(のし紙)に限らず色々あります。

関西は昆布だしで関東はかつおだし。ウナギをさばくときは関西は腹開きで関東は背開き。麺類なら関東はそばで関西はうどん。まあ、これに関しては埼玉県がうどん生産量全国二位じゃないかといった反論が出ているので言い切れないのですが(農林水産省「米麦加工食品生産動向」平成21年より)

黄白水引 5本結び切り

掛け紙に関しても違いがあります。品物を贈る場合ですが西日本は主に黄白水引を使います。それに対して東日本は主に黒白水引を使います。現金を贈る場合どちらも黒白水引です。

形は一緒で色が違う

地方をまたいで贈り物をするときは注意が必要です。東日本の方が西日本に送る場合、品物を贈るのに黒白を使ったとすると

お金ののし紙なのに品物に掛けてある。ものを知らないんだな。

反対に西日本の方が東日本に送る場合、品物を贈るのに黄白を使ったとすると、

弔事なのにこんな派手なのし紙を掛けてある。不謹慎だ。

どちらも実際カザマツリが受けたクレームです。正確に言うと「間違っているのし紙をお客様が選んでいるのに教えてあげなかった」「販売員の知識が足りないからお客様に恥をかかせた」というクレームです。東日本では黄白の掛け紙(のし紙)を見る機会はほとんどありません。だから結構年配の方でも見たことないという方もいます。そのためこのようなことが起きてしまうんですね。

贈り物をするときには注意が必要です。直接持っていくなら言い訳のしようもありますが送ってしまったときは現物がすべてです。百貨店なら全てののしがそろっています。関東の百貨店でも黄白を掛けることは可能です。郷に入りては郷に従えという言葉もありますので、気になったら販売員の方と相談することも必要だと思います。

仏教と神道の違いは?

仏教の場合

仏教の教えでは、亡くなってすぐは行き先が決まっていません。7日ごとに閻魔大王をはじめとした十王によって生前行ったことを裁かれます。最初の裁きが行われる日が初七日です。これを7回繰り返すのです。

7日×7回=49日(四十九日)

その間亡くなった方はこの世とあの世をさまよっている状態です。本来ならば7日ごとに法要をするようなのですが、現代では初七日と四十九日だけとか、告別式の後に火葬場に行き戻ってきて初七日法要とか、四十九日法要だけとするところが多いです。

この四十九日までは魂がさまよっている状態、つまり「霊」の状態です。そしてこの期間のことを「中有(ちゅうう)」または「中陰(ちゅういん)」といいます。この時期はまだ仏様になっていないので御仏壇ではなく「中陰壇」と呼ばれる2~3段くらいの小さい祭壇(使える画像が見つかりませんでしたのでリンク表示します。リンク先は当サイトとは関係ありませんのでご了承ください)に位牌や骨壺を安置します。

お通夜、お葬式、法要とお経を上げますが、これは故人の善行を足すために行っているのです。たとえは違うかもしれませんが7日ごとの裁きに法要するというのは裁判に弁護士を出しているような感じだととらえてください。そして四十九日の最後の法要、すなわち最高裁で最後の弁護をしたところで仏様となり、成仏。極楽浄土へという流れでしょうか。(法律に詳しい方仏教に詳しい方から違うと言われると思いますが、ざっくり短い時間でニュアンスだけ伝える例えですのでご了承ください。)

そのため、四十九日までは「ご霊前・御霊前」とします。ただしこれは現金の場合です。品物の場合は「お供・御供」です。両方いっぺんに渡す場合はメインになる方、つまりは現金の「ご霊前」だけつけてお香典袋を品物の上に置き「お盆代わりにして渡す」のがよろしいと思います。法要の最中に祭壇などに挙げておいてもらう場合には両方に掛けてそれぞれにお渡しするのが良いと思います。

四十九日の法要で成仏しますのでここから「ご仏前・御仏前・御佛前」とします。佛は仏の旧字体です。

ざっくり説明するとこんな感じです。もちろん、地方や宗派によって違います。

神道の場合

神道では人が亡くなるということは神様から与えられた命をお返しするという意味です。ですので亡くなった方はいずれ神となってその家の守り神になるのです。

概念としてあまりピンとこないと思いますが、日本各地にはいろいろな神社があります。九州大宰府の天満宮は菅原道真公を祀った神社です。元々は人間だった菅原道真を儀式によって天神様として祀ったのです。大なり小なり人間はこんな感じで神社なり、家の神棚で神として子孫を見守るのです。

つまり当たり前の話ですが神道ではいつまでたっても仏様にはなりません。神様になるのですから。だから、ご仏前は使いません。

ものすごい当たり前のことを言っていて、バカにするなと思う方もいらっしゃると思いますが、これを理解していない方がすごく多いのです。

カザマツリの場合、必ずご不幸事の掛け紙であると分かると仏教なのか神道なのか聞きます。まずこれがあやふやな方が多いです。お葬式であればどちらもご霊前で構いませんが(最もポピュラーなのは現金なら「(御)玉串料」か「お榊料」ですがご霊前でも間違いではありません)ただ、仏教の法要に当たる霊祭に出席される場合には大問題です。ご仏前を持っていったらひんしゅくを買いかねません。葬儀で何をしていたかをよく思い出していただきどちらだったかをはっきりさせなくてはならないのです。

  • お香を焚いていたか
  • お焼香だったか玉串(榊)だったか
  • お経が流れていたか雅楽が流れていたか

注意しなければならないのはお葬式の時に神社に行かなかったから神道じゃないと思うという方の場合です。神道では死は穢れですので鳥居をくぐることができません。そのため自宅か斎場であげます。だから神社に行かなければ神道ではないということではないのです。

結局、ご霊前とご仏前はどう違う?

あくまで仏式の葬儀・法要の場合です。一覧表にしてみました。四十九日前の品物での「御供物(おくもつ)」は使えます。「御供(おそなえ・ごくう)」と「御供物(おそなえもの・ごくう)」の違いはほぼありません。お味噌汁というかおみおつけの違いくらいに思っていただいていいと思います。

もちろん例外はあります。

注意点

今回はご霊前とご仏前の違いについてみてきました。仏教の言葉遣いですのでそれ以外の宗教では使えないということをよく覚えていただけたらなと思います。今回はあまり触れませんでしたが神道の場合と全く触れなかったキリスト教の場合はいずれ書いていきたいと思います。

そして、同じ仏教でも宗派や地域によって変わってきます。これがすべてではありません。

例えば、浄土真宗の場合はご霊前を使いません。葬儀のときから「ご仏前」です。これは浄土真宗の「往生即成仏」という教えがあるためです。日々唱えていた念仏により人は亡くなると浄土、ほかの仏教などでいうところの極楽浄土に生まれます。そして浄土に生まれたと同時に仏様になるため、霊になる時期がないからです。そのためご霊前ではなくご仏前を使うのです。

浄土真宗は国内最大の信徒がいる宗派です。もし心配な方は「ご霊前」ではなく「ご香料・御香料」「ご香典・御香典・御香奠」にすると問題ないですが、寛容な方が多いのでご霊前でも嫌な顔はされませんよ。

このブログでは祝儀不祝儀に限らず掛け紙(のし紙)・歳時記・その他諸々に関して色々書いていきたいと思っています。よろしくお願いいたします。

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