掛け紙(のし紙)

【間違えやすい】志と寸志【関西で多い間違い】

一文字違いでえらい違い。
志と寸志の違いに関してのお話です。
この2つを混同することもありますけれど、
志の使い方としてちょっとあやふやな解説をしているものもありますし、
寸志の使い方としてちょっとなものもありますので、
そのあたりを解説していきたいと思います。

志と寸志~一文字違いですみません



志とは

東日本ではおなじみ

」とは葬儀や法事などで喪主から参列者へのお礼に使う表書きです。
このときに使われる掛け紙は「黒白水引、のしなし、結び切り」です。

こういう場合、西日本では「粗供養」を使います。
この辺の話は以前しましたのでさらっと行きます。
ご存じない方はご覧ください。

さて、西日本で全く「」は触れる機会がないかというと、
そんなことはありません。
四九日法要の際のお返しは「満中陰志まんちゅういんし」です。
満中陰」は四九日法要のことです。
満中陰」の「」だから「満中陰志」です。
東日本でも四九日法要の際は「満中陰志」を使う地域も宗派もありますから、
西日本独自というわけではないのですが、
それはさておき西日本でも「」は使われています。

「志」のよくある間違い

関西の上司

以前いた上司の話です。
関西が本社の会社だったのですが統括部長が、

「志」って何をするときに使うのか?

と電話で突然言い出しました。

え?テストですか?

何でもええんやけど、誰が聞いてもわかるように答えてごらん。
え、葬儀や法事などの施主からの返礼の表書きです・・・。
せやんな。

この後強制的に違う話に変えられてしまったので、
何とも言えませんが、
おそらく「志」の意味を知らなかったと思われます。
これが配管工事業者とかIT関連企業なら問題ありませんが、
和菓子の販売会社でこれです。
それこそ見ない日はないくらい掛け紙(のし紙)を見てきただろうに。

そのくらい西日本ではなじみがないのです。
まあ、それでも見当もついてないこの方は酷すぎますけれど。

で、用途は

話を元に戻します。
マナーの本や掛け紙(のし紙)の解説をしているサイトで結構あるのが、

「志」は本来は不幸な意味がないので、
気持ちを伝える「心付け」の意味として紅白で使ってよい。

ダメです!!!

今すぐその本を燃やしてください。
もしくはそのサイトのサーバーの電源落としてください。

百貨店でそんな提案をした日にはフロアマネージャーが飛んできます。

 

元々の意味はそうだったかもしれませんが(懐疑的)、

現代でそれは通用しません。

 

かつてそうだったんだから問題ないのではという方。

東京から大阪まで宅配便を送る日数を調べる際に、

飛脚だったら3~4日で着きます

という見積もりまで入れて調べますか?

 

言葉は生き物です。かつてそうだったとしても、
現時点でそれは伝わらないのであればその意味は無いのと同じです。
このサイトで何度も申し上げておりますが。
「掛け紙(のし紙)は相手がどうとらえるか」です。
実務においてそういうものではありませんか?

もし、「心付け」の意味で「志」を使おうとしているなら、
別な言葉を探した方が良いです。
「寸志・薄謝・粗品・松の葉・心ばかり・感謝・上など」
候補は色々あります。わざわざ昔の意味を引っ張り出して、
冒険する必要はありません。
もちろん今あげた例の中にも、
場合によっては使わない方が良いものもあります。


寸志とは

「寸志」とは「ちょっとした心ばかり」という意味です。

ただし、目上の者が目下の者へ渡す場合のみです。

目下の者から目上の者もしくはお客様へは使えません。

そういう場合には「御礼・薄謝・感謝・松の葉・心ばかり」を使います。

寸志のよくある間違い

寸志のニュアンス

「寸志」は先ほども出ました通り、
目上の者が目下の者へちょっとしたお礼をする場合のみです。

チミ チミ まあ、取っておいてくれたまえ

かなり極端ですが、こういう場合の表書きなんですね。

目下の者が目上の者に渡すならば、
シンプルに「御礼・感謝・心ばかり」という変にへりくだらない方が、
いいように思われます。

へりくだっておいてあげたものがそこそこに良いものだったり、
そこそこの金額だったりすると慇懃無礼になってしまいます。

慇懃無礼とは丁寧にしすぎてかえって失礼になることを言います。

掛け紙(のし紙)は

寸志の掛け紙(のし紙)ですが、
紅白水引、のしあり、花結び」か
水引なし、のしなし(白のし)」が良いでしょう。


結び切りを使うと

ちょっとした気持ちです。もう二度とないだろうけれど。

という意味になってしまいます。

また、お見舞い関連や快気祝、結婚関連の掛け紙(のし紙)は、
結び切りを使いますが、

こういう場合には「寸志」は使いません。
ちょっとした気持ちであげるものではないからです。
そのため混同は起きないようにはなっています。



要するに

  • 「志」と「寸志」は間違えてはいけない
  • 現代において「志」は弔事の返礼に使う
  • 「寸志」は目上から目下への心付け
  • 目下から贈ってはいけない
  • 結び切りで「寸志」にしてはいけない

ちょっとした気持ちからしっかりとした感謝まで。
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