「暦の上では○○ですが」
毎年のように繰り返されるこの言葉。
立秋に聞かれることが最も多いのです。
(当サイト仮説。裏付けナシ。)
実際の歴代最高気温も立秋以降に観測されていることが多いです。
二十四節気を知れば大人の仲間入り~立秋編
2020~2022の立秋
- 2020年(令和2年) 8月7日金曜日
- 2021年(令和3年) 8月7日土曜日
- 2022年(令和4年) 8月7日日曜日
毎年同じようですが日にちは入れ替わります。
今年は8月21日金曜日までが立秋です。21日は処暑です。
二十四節気(にじゅうしせっき)は、1年の太陽の黄道上の動きを視黄経の15度ごとに24等分して決められている。太陰太陽暦(旧暦)では季節を表すために用いられていた。また、閏月を設ける基準とされており、中気のない月を閏月としていた。全体を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれを6つに分けて、節気(せっき)と中気(ちゅうき)を交互に配している。
立秋の場合は8月6日~9日のうちのどれかになります。
立秋の意味
立秋とはこよみ便覧(暦便覧)によると
「初めて秋の気立つがゆへなればなり」
秋の気配感じられる日・時期という意味です。
秋の気配というのは、
大まかにいうと秋風、暑さの中にも涼しさを感じるということです。
こよみ便覧に関しては、 このサイトでも歳時記にちなんだ記事には、 こよみ便覧(暦便覧)によるととしれっと書いてあります。 書くたびに心苦しかったのですが、 書くと長くなりそうなので別記事でと思っておりましたが、 ずるずる先延 ... 続きを見る
こちらもご覧ください。
ちょいちょい目にする暦便覧って何?
立秋あれこれ
梅雨明け
この日までに梅雨明けの宣言がなされないと、
記録の上では梅雨明けの特定なしという記録になります。
特定なしという部分を抜粋してあります。
全国的に特定なしという年(1993年)もありますが、
平成の米騒動が起きた前の年、
つまり全国的に冷夏になって米が不作になった年です。
そうでなくてもそこそこの周期で、
東北地方は特定なしになっています。
全体的に梅雨の明けるのが遅くなると、
東北地方まで梅雨明けが伝播する前に、
立秋になってタイムアウトとなってしまいます。
残暑お見舞い
立秋を過ぎると、
秋になるので暑さも残暑ということになり、
暑中お見舞いではなく残暑お見舞いに、
言葉も変わります。
文中も「暑さ厳しい折」から、
「残暑厳しい折」といったように夏真っ盛りというよりは、
夏が終わり秋になったけれども残暑が厳しいという、
スタンスにするのが自然です。
歴代最高気温
歴代の最高気温記録日を見てみると、
最高気温記録日は立秋以降にあることが多いようです。
赤く色がついているのが、
立秋以降の記録です。
1位から10位までの中で7つが立秋以降に記録しています。
上位のほとんどが2000年以降の記録で、
ここ10年くらい気温が高い状態であるようです。
こちらは、
最低気温の最高記録のベスト10です。
一日のうちで最も低くなる気温が最低気温ですね。
その最低気温が最も下がらなかった記録です。
こちらも立秋以降に記録したものを赤くしてあります。
やはり立秋以降に記録することが多いです。
そして2000年以降が多いです。
気温が下がりにくくなっているから、
気温が上がりやすいということが言えます。
小暑、大暑の暑中の時期よりも、
本来は残暑となるべき立秋の時期に、
気温は高くなりゲリラ豪雨も起きるという、
新しい気候になりつつあるのかもしれません。
立秋のここがスバラシイ
立秋の概要(七十二候)
初候(8/7~11)
涼しい風が吹き始めます。
風が立つという表現もあります。
風が立つ、風立ちぬといえば、
堀辰雄氏の小説、松田聖子さんの曲、
スタジオジブリの作品とあります。
堀辰雄氏の小説のイメージで作られたのが、
松田聖子さんの曲です。
小説楽曲の世界は秋近い夏なのでやはり、
このころのことのようです。
涼風至
次候(12~16)
ヒグラシが鳴き始める頃です。
ヒグラシは別名カナカナとも言います。
朝や夕方の涼しい時間帯になると鳴き始めますが、
近年ではなかなか気温が下がらないので深夜に鳴くこともあるようです。
そんなヒグラシは一か所で鳴き続けず、
ひと鳴きしては動き回ったり、
別の木に飛んで行ってしまったりするので、
見つけるのは大変です。
季語としては秋の季語です。
寒蝉鳴
末候(17~22)
朝晩に濃い霧が立ち込める時期です。
暑さの中にも寒暖差があり、
朝晩は涼しくなるとかつてはされていましたが、
近年では、
標高の高い地域ではそういうこともありますが、
平野部では相変わらず朝も夜も暑い時期です。
蒙霧升降
立秋の旬
立秋の旬
ナス
秋ナスは嫁に食わすなといいますが、
これは秋ナスはおいしいので嫁に食べさせたくないという、
嫁いびりの説と、
ナスは体を冷やすので、
妊婦にあまり食べさせないほうが良いという、
嫁をいたわった説の二つの解釈があると言われていますというのは、
あちこちでこすりまくっているので、
そこに任せるとして、
こちらでは、
夏のナスと秋のナスの違いを見ていきたいと思います。
夏ナスと秋ナスは同じもの
基本的には、
種類は同じものです。
6月ごろから収穫するのを夏ナス、
9月ごろから収穫するのを秋ナスといいます。
ですので、今出回っているのは夏ナスの最後です。
伸びすぎた枝を落とし、
根切りをして、
肥料を足すといった更新剪定をすることによって、
力を蓄えて、
また秋に実をつけるようにするのです。
これがちょうど立秋くらいの時期に行われます。
もちろん秋ナス向けの品種もありますし、
夏ナス向けの品種もあります。
特徴
夏ナス
・皮が厚く、実が締まっている。
・煮込んでも煮崩れしづらい。
秋ナス
・皮が薄く、実には水分を多く含んでいる。
・火が通りやすく短時間で調理ができ栄養が壊れにくい。
夏ナスは実をしっかり味わうものに向いています。
麻婆茄子、ラタトゥイユ、漬物など。
秋ナスは皮も含めた素材を丸ごと味わうものに向いています。
天ぷら、揚げびたし、焼きナス、味噌炒めなど。
選び方
・つやがあり、はりがある。
・ヘタについているトゲがヘタっていない。
・ずっしりと重みがある。
和梨
種類
和梨を大きく分けると二種類あります。
青梨
二十世紀梨など。
皮が緑色がかった色をしており、
熟すと黄色くなります。
皮は滑らかで、
実もつるんとしています。
味はさっぱりとした甘みが特徴です。
赤梨
幸水、豊水、新高など。
皮が褐色で、
ざらざらしています。熟しても大きな色の変化はありません。
実はざらざらしていて、
歯ごたえがあり、
味は甘みが強く濃厚です。
8月を皮切りに、
11月ごろまで色々な種類が収穫されます。
時期が後になる品種ほど日持ちがします。
適切な保存をすれば年を越す品種もあります。
サンマ
近年、不漁続きのサンマ。
今年、釧路市で行われた初競りで、
1kg、41,040円。
一尾あたりおよそ5,050円で落札され、
最高値を更新しました。
毎日新聞より
かつては庶民的な魚として、
最安値では一尾あたり100円を下回る値段で売られたりもしていましたが、
近年そんな値段では見かけなくなり、
イワシなどと同様高級魚への道を歩み始めました。
これは日本列島が暑くなったのも原因といわれています。
地上がこれだけ暑いと、
その周辺海域も暑くなります。
水は空気よりも熱は冷めにくいので、
海水温が高くなります。
サンマは北太平洋(赤道よりも北側)を回遊しています。
夏から秋にかけて日本近海を通って南下してくるところを、
捕らえています。
海水温が高い沿岸部を避けて、
南下してくるために、
日本の領海内ではサンマが取れなくなっているのです。
日本近海では漁獲量が減りますから、
価格は上がります。
サンマを求めて外海に出て行くと、
船の大型化や燃料が余計にかかるため、
やはり価格は上がります。
どっちにしても価格は上がります。
しかし、問題はサンマの数が減っているため、
このまま取り続けても良いのかということです。
温暖化の余波がここにも出ているようです。
立秋とは
暦の上では秋ですし、
実際に秋の準備が始まる時期でもあります。
実りの秋へとするためには、
それなりに準備が必要なのです。
とはいえ、
暑い時期はここからが本番です。
熱中症になるのも、
今からが多くなります。
水分だけでなく塩分も必要です。
水だけ飲んでいても、
塩分が足りないと熱中症になってしまいます。
気温と湿度、
水分と塩分それぞれのバランスをよく鑑みて、
秋を迎える準備をしていきたいものですね。