掛け紙(のし紙)

【基本ののし紙】御祝と内祝【御祝あってこその内祝】

御祝と内祝の関係性
掛け紙(のし紙)を掛ける贈り物の代表例は、
「御祝」と「内祝」でしょうか。
よっぽど人付き合いを避けていない限り、
何年かに一回は渡す機会があると思います。



御祝と内祝の関係性

御祝は何か祝うべきなことがあって、

「おめでとうを伝えたい!」

という衝動があった場合に差し上げものに掛ける掛け紙です。元々は。

ただ、現代日本において対等な友人関係でもない限り、
そんな衝動はありません。

大体の場合は親戚なり会社の上司や同僚なりに、

子どもが生まれました。

と報告なり話の中でそういう流れになったなりで、

じゃあ、お祝いをあげなくちゃ。

と関わりがあったよしみでくれます。

で、貰った側はお祝いをもらったので、
ありがとうございます」の意味を込めて「内祝」を返します。

つまり、内祝いは単独で存在しない、
御祝ありきの表書きなのです。

御祝をもらってもいないうちに内祝いを渡すと、

早く、お祝いをくれ!

または
何で、お祝いくれないんだよ。

という意味になってしまいます。
たまに

私とこの方との関係性はありなんです。たかだか販売員のあなたに言われたくない!

とおっしゃる方がいます。
落ち着いてください。
あなたとその方の関係性を見たことないので、
一般論です。
でも、自分がそういう関係だと思っていても相手からしたらドン引きということは、
結構あることだと思うんですけれどね。


「内祝」単独で差し上げるのは問題ないか?

「内祝」の元々の意味

マナー本を真に受けていませんか?

いきなり内祝いだけ渡したいという方で、
先ほどの特異な関係性でない限り、

  • 御祝を貰っていない
  • 報告がてら

というケースが多いのではないでしょうか。

色々なマナー本やサイトなどで

・「内祝」単独で渡したとしても嬉しい気持ちのおすそ分けなので失礼にはあたらない。
・本来はおめでたいことが起きてそれを改めて周りの方々への感謝を伝えるためのものだから問題ない。

と書いてあるものが多々あります。

声を大にしていいます。

そんなわけありません!

「内祝」が単独で成立していたころ

元々はそういう意味はありました。
けれども、それはもっと人間関係が密だった時代のことです。
こちらが結婚した、出産した、成人になったと言わなくても、
まわりが知っていたし、親戚でも誰かしらが、

〇〇の子が生まれたってよ

と伝えていたのです。そういう村社会の中でみんな生きていたのです。

いきなり内祝いだけ渡す前に報告があったのです。
そういう時代はプライバシーもない代わりに情報はすぐ伝わります
だから、内祝いをいきなり送ったとしても、
みんな知っていることなので問題なかったのです。

そのかわり、
何かその村社会という小さなコミュニティの中で、
ルールを逸脱すると「村八分」といってハブられて、
その村社会から追い出されたり相手にされなくなるのです。

村社会が全ての時代、村八分は死を意味します。

社会的な死です。情報が遮断され生きていくことができなくなり、
本当に死を迎えることもあったでしょう。
とはいえ、ほとんどの場合は村から出ていくことを選びました。

現代の人間関係

では、現代社会においてはどうでしょうか。
普段、年賀状のやり取りくらいしかしていなかった人から、
いきなり内祝いが届く。

感謝の意味を込めていると思えますか?

何か意味があるのではと思いませんか?

おそらく結婚出産が近かったりすると、
結婚したことも知らなかったりする人から、
いきなり子どもの名前の内祝いと出産したんです的なメッセージカードが届く。
感謝の意味や幸せのおすそ分けとして伝わる可能性は低いと私は思います。

言葉は変化する

報告は大切

ここまでの内容で、

じゃあ、どうしたらいいんだ(怒)

と思うでしょう。

報告をすればよいのです。
何も自分で報告をしなくても、
親御さん、友人、親戚の方。誰でも良いので、

実は妊娠してて、今日生まれたらしいのよ。

今月結婚することになって、式は上げないんだけどね。

と伝えてもらうとか、
手紙で報告をするとか、
一言電話で、
今日出産しまして、この興奮を伝えたくて電話しました。

といったように連絡すればよいのです。

それで、くれなかったらお祝いを上げる気のない方ということです。

・相手の方が多忙を極めているとか、
・ずぼらな性格ですぐには何もしない性格とか、

そういう方でない限りはお祝いをくれる気はありません

それでも内祝いを感謝の意味を込めて差し上げたいのならば、
感謝の言葉を込めたメッセージや手紙を添えて「内祝」で差し上げましょう。

それならば本来の意味の内祝いで問題ありません。

そこまでしたくない

そういう方もいると思います。

でもよく考えてください。

それが煩わしいと思える関係なら、
わざわざ内祝いを差し上げる必要はないのでは?

そうまでして差し上げなければならない理由はあるんですか?

理由があるなら「内祝」をいきなり差し上げても構いません。

それは他人がわからない間柄なのです。

あなたの正義は私の正義とは限らない

伝わってこその掛け紙(のし紙)

ただ、一つ覚えていただきたいのは、
こちらがどんなに正しいと思って渡したものでも、

相手がどうとらえるかは、相手次第なのです。

私はそういう意味で渡したのではないと力説しても、
相手がそう取ってくれなければ意味がないのです。

いきなり内祝いを渡して相手が催促だと思ったら、
それは催促なのです。

自己責任として内祝いを感謝の意味でお使いいただければと思います。
ただ、こういう話もあります。

実際に起きた話

ある日、
店の電話に出ると、
お年を召した女性から電話がありました。

おたくから内祝で品物が送られてきたんだけれど宛先間違いじゃないかしら?

百貨店の伝票はパソコンで作られたラベル伝票と、
お客様自身が書いた複写式伝票の二種類があります。

ラベル伝票ならこちらの間違いの可能性があるのですが、
送られてきた伝票番号で調べてみると、
お客様が手書きで書いた複写式伝票だとわかりました。

お客様ご自身で書かれているので間違いはないと思います。 送り主のお客様に心当たりはないのですか?

と尋ねると、心当たりはある方で書き間違いでは無いようでした。

メッセージがついていたんだけれど、 この子、姪っ子なのね。 私、出産も結婚も聞いてなくて。

とても寂しそうに最後に、

一言教えてもらいたかったな。 そんな希薄な関係じゃないと思っていたのに。

と電話を切られました。

おそらく内祝いの掛け紙(のし紙)を掛けて、
メッセージカードを添えて、
感謝の気持ちととらえていたかどうかはわかりませんが、
依頼主の方は軽い気持ちで送ったのでしょう。

しかしそれは伝わらず。しかも催促ともとらえられず。

自分とその方の関係性が希薄と感じられたことが、
ショックだったようです。

改めてお聞きします。
本当に内祝いを感謝の意味合いで一方的に送って、
いいと思いますか?


要するに

  • 「御祝」と「内祝」は「御祝」を貰ったら「内祝」を返す
  • 「内祝」単独でも感謝の意や挨拶の意を込めて贈ることもできる
  • ただしそれは報告が本人に行っているか特別な関係であるかによる
  • 相手がどうとらえるかまではマナー本は考えていない

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