歳時記

夏至~二十四節気の一軍、ライバルは冬至

apple12さん(Photo AC)

夏至といえば、
二十四節気を知らない人でも知っている、
一軍のツートップの一つでしょう。
(もう片方が冬至)
ただ夏至といえばどういう日ですか?
というとあいまいな人も多いはず。
昼と夜の長さが一緒になるんだっけ?
昼の長さが一番長いんだっけ?
そんな名前だけ有名な夏至について見ていきましょう。

二十四節気を知れば大人の仲間入り~夏至編

  1. 2020~2022の夏至
  2. 夏至の意味は
  3. 夏至のここがスバラシイ
  4. 夏至とは



2020~2022の夏至

  • 2020年(令和2年) 6月20日土曜日
  • 2021年(令和3年) 6月21日月曜日
  • 2022年(令和4年) 6月21日火曜日

毎年同じようですが日にちは入れ替わります
今年は7月5日日曜日までが夏至です。6日が小暑です。

二十四節気(にじゅうしせっき)は、1年の太陽の黄道上の動きを視黄経の15度ごとに24等分して決められている。太陰太陽暦(旧暦)では季節を表すために用いられていた。また、閏月を設ける基準とされており、中気のない月を閏月としていた。全体を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれを6つに分けて、節気(せっき)と中気(ちゅうき)を交互に配している。

国立天文台 暦計算室 用語解説より

夏至の場合は6月20日~23日のうちのどれかになります。

夏至の意味

夏至とはこよみ便覧(暦便覧)によると

「陽熱至極しまた日の長きのいたりなるを以てなり」

日の光が最も強くなり、日の出ている時間が長いという意味です。
しかし実際には、
日の出が一番早いのは、夏至の一週間前です。
(2020年東京だと6月13日(土)に4:23:55)
日の入りが一番遅いのは、夏至の一週間後です。
(2020年東京だと6月28日(日)29日(月)に19:01:28)
※計算:カシオ計算機

北極圏では白夜、南極圏では極夜

白夜

びゃくや、はくやと読みます。

Ann999-DESKさん(Photo AC)

オーレスン(ノルウェー)

北欧諸国、グリーンランド、ロシア北部、カナダ北部、
アメリカ合衆国(アラスカ州)が当てはまります。
今年はどうか分かりませんが、
深夜でも街中を散策する人々が見られ、
睡眠時間は短くテンションは高めになるそうです。

白夜の10か月後、5月生まれが北欧では多いとか多くないとか。
(うっすら聞いただけで未確認です。)

この時期に北極圏では、
日は沈まないか、沈むが夕焼け朝焼けのような状態が、
西→北→東と移ってゆきまた昇ります
そのため沈まない場合はもちろん明るいが、
沈んだとしても薄暗くなる程度で暗くならないのです。

南半球の南極圏では冬至の時期に白夜になります。

極夜

m*******************pさん(Photo AC)

極夜(ただし画像は1月の北極圏)

きょくやと読みます。

白夜の反対です。
この時期に南極圏では、
日が昇らないか、上るが朝焼け夕焼けのような状態が、
東→北→西と移ってゆきまた沈みます
画像は日中に月が昇っているところ。

ちなみに、
北半球では太陽の動きは東→南→西ですが、
南半球では太陽の動きは東→北→西です。
全部が逆になるわけではありません。
地球のまわっている向きは変わらないわけですから。
よく考えればわかりますね。

南極圏は全て南極大陸で、
他の大陸にかかっている部分がありません。
南極点は半年白夜で半年極夜です。
北極点も逆なだけで同じ事が起こります。

南極圏に近いアフリカ大陸最南端アグラス岬
南アフリカ大陸最南端ホーン岬は夜が非常に長くはなりますが、
日は昇ります

ただ、南極圏に近いので、
どちらも十分寒いです。

沖縄ではラハイナ・ヌーン

あまり聞きなれない言葉ですね。
ラハイナ・ヌーンは元々ハワイの言葉です。

マウイ島の旧名で「厳しい太陽」という意味です。
太陽が真上を通るため影がなくなって見えるのです。

これが沖縄の石垣島でこの時期に起こります。

北回帰線(google earthより)

中学校の理科で地球の地軸は太陽に対して
およそ23.4度傾いていると習いましたね。
この傾きにより夏至の日に北緯23.4度の付近で太陽が真上を通ります。
この北緯23.4度をぐるりと地球一周つないだ線を北回帰線といいます。

北回帰線は実際は石垣島のさらに南を通っておりますので、
完全に真上を通るわけではありませんが、
近い位置にあるので影がほぼ消えて見えます。

夏至のここがスバラシイ

夏至の概要

ウツボグサが花を咲き終え枯れたように変色し、

ひろよんさん(AC PHOTO)

ウツボグサ(夏枯草)

アヤメの花が咲き、

mogucoroさん(AC PHOTO)

アヤメ(菖蒲)

カラスビシャクが生え始めます。

HiCさんAC PHOTO)

カラスビシャク(烏柄杓)

アヤメは梅雨の時期に咲いているイメージありますね。
夏至のころは植物はぐんぐん育ち、
次から次へといろいろな種類の花が咲いていくのです。

夏至の旬とは

夏至の旬

サクランボ・夏みかん・オクラ・枝豆・タコ・ハモ・カンパチなど

夏みかん

Inushitaさん(AC PHOTO)

夏みかん

夏みかんはこの時期に実が成るわけではありません。
他のかんきつ類と同じく秋から冬にかけて実が色づきます。
ただ、その時期の実は酸味が強く食べられません。

冬に収穫してそのまま貯蔵するか、
そのまま木に成らせたままにして完熟してから食べるのですが、
食べられるようになるのがこの時期です。

私の実家にも夏みかんの一種のはっさくの木がありますが、
冬の時期は確かに震えがくるほど酸っぱく苦みも強いです。

はっさくは漢字で書くと「八朔」と書き、
八朔のころ(旧暦8月1日)になると食べごろになるから付いた名前です。

話を夏みかんに戻しますと、
原産は山口県で生産量1位は熊本県(甘夏を含む)です。

生食用としてはもっぱら甘夏で、
元々の夏みかんは加工用として使われています。

オクラ

HiCさん(AC PHOTO)

オクラ

よその子とゴーヤは育つのが早い。
遠い親戚の子とオクラも育つのが早い。
というのは博多華丸大吉さんのネタですが、

オクラの実に限らず、
夏野菜の部類に入るものは、
花が付くまではゆっくりと成長し、
実が成るとあっという間に実が巨大化します。
巨大化しすぎると固くなるので見極めが大切です。

オクラはほかの野菜に比べて栄養が豊富です。
特に切ると中から出てくるネバネバは水溶性食物繊維です。
食物繊維には水溶性と不溶性があり、
水溶性は水に溶けるので体内で水を吸収してゲル化して、
腸内でコレステロールや不要な糖質などを吸着して排出を促進します。

ネバネバの中の成分の一つであるペクチンは、
腸内の善玉菌のえさにもなるため、
整腸作用もあります。
水溶性がゆえに下茹でが長すぎると流れ出てしまうので、
蒸し野菜にするのがおすすめです。

こういった電子レンジで使えるシリコンスチーマーなら、
手間をかけずに簡単に蒸し野菜どころか、
調理もできます。

タコ

a1nさん(AC PHOTO)

タコ(ゆでだこ)

夏至の後半の半夏生の時期に関西ではタコを米が豊作になる願いを込めて食べます。

タコの足のように稲がしっかりと四方八方に根を張るよう願ったのです。

半夏生の説明は半夏生のページをご覧ください。

それにこの時期のタコは旬を迎えています。
が、
西日本ではこの時期。
東日本では冬の時期に旬を迎えます。

どうしてこうなったのか正式な見解はまだ出ていませんが、
このブログとしての見解は、
夏至の時期のタコは産卵期を迎えているので、
淡白で身が柔らかいのが特徴です。
一方冬の時期身がしまって味も濃いめです。

東と西では味の好みが違うため、
こういった違いで旬かどうかが変わるのではないでしょうか。
ただ、近年は輸入が多くなり日本近海産は高級品となっております。
輸入物が各地域が旬とする味になるのは、
いつなのかよくわかりませんが、
日本人はどちらの味にしろタコが大好きなのです。

栄養は

タウリンと亜鉛が豊富に含まれています。
タウリンは血中のコレステロールや中性脂肪を減らし、
血圧を正常値へと戻し、肝機能を向上させます。
また何より栄養ドリンクなどに入っているので疲労回復効果があるのでは?
と思われがちですが、

筋肉の疲労となる細胞内の老廃物を排出を助け、
筋肉細胞のダメージの低減をすることから、
疲労回復しているように感じるのではないかと言われています。

タウリン自体発見されたのは200年ほど前ですが、
本格的に研究され始めたのはまだ数十年ですので、
まだ完全にわかっていることばかりではないのです。

亜鉛にも疲労回復効果があるといわれており、
近年栄養バランスの崩れによる亜鉛不足が指摘されています。
普通の食事をしていれば不足はしないのですが、
偏った食事や無理なダイエットなどによって亜鉛が欠乏すると、
味覚障害や免疫の低下などの恐れがあります。

タコを食べる風習ができた当時は、
栄養の偏りの起こりやすい時代でした。
そのために麦の収穫から田植えまで、
季節的に一気にこなさなければならなかったため、
疲れた体を癒すためにタコを食べ量になったのかもしれません。


夏至とは

色々誤解の多い時期です。
盛夏と思いきやまだ大部分が梅雨真っただ中だったり、
日の出が最も早く日の入りが最も遅い日と思われがちなのに、
そうでなかったり。

それでもここが一区切りなのは間違いありません。
ここから冬に向かっていくのですし、
昔であれば農作業も一気にここまではしてしまいたいという、
一区切りでした。

梅雨もあとひと月ぐらいは続く地域が多いですが、
そんな暗くなりがちな気分も、
次々に見ごろを迎える花によって、
そしてたまに来るからこそ貴重に思える晴天によって、
ここぞというところで盛り上げてくれるのです。

実際の気候でも、
暦の上でも、
暑い盛りはまだ先です。
ここで暑さに備えることによって、
快適な夏になるのかバテてしまうのかが決まります

毎年のように今年の夏は猛暑だと言われ続けていますが、
頑張って乗り越えていきましょう。


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