二百十日、二百二十日は雑節です。
雑節とは二十四節気、七十二候で説明しきれない、
季節の移り変わりを表す暦日です。
今回はそのうちの二百十日を見ていきましょう。
いつから見ての日?~二百十日
二百十日はいつから数えて二百十日?
二百十日、二百二十日は立春を起算日(立春を1日目とする)として、
210日目、220日目にあたる日の事を言います。
1月1日からではありません。
そして三大厄日の一つとされています。
2020年~2022年の二百十日は
- 2020年(令和2年) 8月31日月曜日
- 2021年(令和3年) 8月31日火曜日
- 2022年(令和4年) 9月1日木曜日
- 2023年(令和5年) 9月1日月曜日
毎年同じようですが微妙に日にちは入れ替わります。
今年は8月31日月曜日です。
おおよそ日は9月1日で閏年であれば8月31日なのですが、
近年は2年続けて8月31日と9月1日を繰り返しています。
年代によって算出方法は異なり、
一概に二年ごとに入れ替わるとは言い切れませんが、
近年では、
閏年の年とその翌年は8月31日が二百十日です。
極稀に9月2日ということもありえます。
ただ、1951年(昭和26年)以降は登場せず、
次は2203年(23世紀初頭)です。
よっぽどの医療革新でも起こらない限り、
見ることはできません。
90年代からのアニメファンの方のみお分かりいただける表現なら、
天地無用!的な生体強化が必要です。
(よくよく確認したら続いています。
今年から来年にかけて第5期がリリースされます。
失礼いたしました。)
そもそも現代文明は存在しているんでしょうか。
ドラえもんが生まれたのすら、
2112年9月3日ですのでそれよりも、
91年後です。
二百十日はどのような日なのか?
先ほども述べた通り、
三大厄日とされています。
- 二百十日(2020年8月1日)
- 二百二十日(2020年9月10日)
- 八朔(2020年9月17日)
別名台風襲来特異日。
台風特に風害が昔から多い日とされています。
処暑の記事でも触れましたが、
太平洋高気圧が弱まり始め、
7月8月と日本列島に近づかなかったのが、
この辺りから日本列島に近づくもしくは上陸するようになります。
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農家の方にとってはちょうど稲の実が付き始める頃です。
その昔の暦では稲の花が咲く頃とされていました。
天気に敏感なのは農家以外にもあります。
漁師です。
むしろ漁師にとって天気が荒れるということは、
命を危険にさらすことです。
1634年(寛永11)に1634年(寛永11)に安田茂兵衛尉重次が著した『全流舟軍之巻』のなかで述べられたものがあり、そこには「野分と云ふ風の事。是は二百十日前後七日の内に吹くもの也」とある。[根本順吉]
小学館日本大百科全書(ニッポニカ)より
江戸時代初期の書物にすでに登場していて、
暦としては、
古来、台風襲来の時期でイネの開花期にあたり、農家の厄日として注意を促すため暦に記載される。渋川春海が漁夫からこのことを聞いて1686年(貞享3)の暦から記載するようになったといわれているが、それ以前に伊勢暦には1656年(明暦2)の暦から記載されている。[渡辺敏夫]
小学館日本大百科全書(ニッポニカ)より
その18年後の暦には早くも取り入れられています。
この話も諸説あり、
渋川春海が採用したのではないとか、
伊勢ではなく品川だったとか色々ありますが、
どうあれこうあれ二百十日=嵐になりやすいという公式見解が、
江戸時代ごろからとられていたということはお判りいただけたでしょうか。
カザマツリと申します
どうも、こんにちは。
カザマツリと申します。
挨拶がしたかったのではなく、
このころに暴風が吹かないように願った祭りを、
風祭りといいます。
地域によって行う時期が違ったり、
名前も違ったり、
お祈りの仕方も様々だったりしますが、
おおむねこの時期に風祭りという名前で行われます。
おわら風の盆も風祭りの一種です。
おわらがいつ始まったのか、明瞭な文献が残っていないためはっきりしません。
「越中婦負郡志」によるおわら節の起源として、元禄15年(1702)3月、加賀藩から下された「町建御墨付」を八尾の町衆が、町の開祖米屋少兵衛家所有から取り戻した祝いに、三日三晩歌舞音曲無礼講の賑わいで町を練り歩いたのが始まりとされています。
どんな賑わいもおとがめなしと言うことで、春祭りの三日三晩は三味線、太鼓、尺八など鳴り物も賑々しく、俗謡、浄瑠璃などを唄いながら仮装して練り廻りました。これをきっかけに孟蘭盆会(旧暦7月15日)も歌舞音曲で練り廻るようになり、やがて二百十日の風の厄日に風神鎮魂を願う「風の盆」と称する祭りに変化し、9月1日から3日に行うようになったと言われます。おわら風の盆行事運営委員会サイトより
今に伝わるおわら節の古謡の一節には、
「二百十日に風さえ吹かにゃ 早稲の米喰うて おわら 踊ります」
とあります。
二百十日に込めた恐れや願いが見えてきます。
また地方によっては、
屋根の上などの風が当たる場所、
竹竿の先に、
風上に向けて鎌を立てる「風切り鎌」の風習も見られます。
要するに
- 二百十日は雑節の一つ
- 雑節の中でも厄日と言われている
- 台風襲来特異日とも言われている
- 太平洋高気圧の張り出しが弱まり日本列島に近づくようになるから
- 江戸時代初期には漁師の間では嵐になりやすい日と認知
- 被害を少しでも減らそうと風祭りを行うようになった
- おわら風の盆もその一つ
台風シーズンに突入します。
7月迄の台風の数が少なかったのですが、
辻褄を合わせるかのように、
発生数が増えるかもしれませんので、
今年は要注意です。