梅雨も時期的にはそろそろ終わりに近づいてきました。
街中では食品ロスの問題意識の高まりから、
うなぎの予約販売を促す告知も目立つようになりました。
最近はコンビニでもうな重の予約を受けています。
ウナギを食べる日として有名な土用の丑の日。
今年は二の丑、つまり二回あります。
ところで土用って何でしょう?
今回は土用について見ていきましょう。
長くなりますので前後編の分けます。
本日は前編です。
土用は年四回~土曜かと思ったよはベタすぎます(前編)
2020年の土用
冬 | 春 | 夏 | 秋 | |
2020年 | 1/18~2/3 | 4/16~5/4 | 7/19~8/6 | 10/20~11/6 |
2021年 | 1/17~2/2 | 4/17~5/4 | 7/19~8/6 | 10/20~11/6 |
季節の変わり目である、
「立春」「立夏」「立秋」「立冬」の前日までの、
およそ18日間のことを「土用」といいます。
土用は暦の上では雑節に属します。 暦を見ていると、 二十四節気と七十二候と雑節が出てきます。 特に説明はありませんけれどこれは常識の範囲なのでしょうか? この三つの関係性を見ていきましょう。 二十四節気・七十二候・雑節~それぞれの意味 ... 続きを見る
雑節は暦の上の日のことで、
節分や八十八夜などのことを言います。
雑節の詳しい説明は、
雑節の解説をご覧ください。
二十四節気・七十二候・雑節の関係性は?【ざっくり】
いつから土用なのかというのは、
太陽の動き、太陽黄経によって決まります。
これは暦全般に言えることです。
そのため管理しているのは国立天文台なのです。
土用はどう決められているか
太陽黄経とは
前の記事のおさらいになりますが、
例えば。
地球上の位置を示す場合、
緯度と経度で表します。
北緯〇度、東経△度という言葉は聞いたことありませんか?、
縦軸と横軸が交差した位置を示せば、
場所は特定できます。
同じことを星でもやってみたのです。
地球にドームをかぶせて、
星はそのドームに描いてあるものでそれが動くとします。
その中で太陽に関する言葉が、
黄道と黄経と黄緯です。
国立天文台暦のページより
黄道は太陽が一年かけて動いていく道筋を表します。
春分が0度です。実際の太陽はやや角度を付けながら一周しますが、
黄道は太陽が基準なのでまっすぐに一周しています。
上の図で横軸の一周が黄道です。
黄経は横軸の黄道上の位置、
黄緯は縦軸の黄道との角度の差です。
天球上を太陽が移動していって、
春分を0度だとして、
90度の位置まで移動したら「夏至」、
180度の位置まで移動したら「秋分」、
270度の位置まで移動したら「冬至」、
0度の位置に戻ってきたら「春分」ということなのです。
立春、立夏、立秋、立冬の太陽黄道
立春 | 立夏 | 立秋 | 立冬 |
45° | 135° | 225° | 315° |
それぞれの18°前が土用の入り(初日)ということです。
つまり
春土用 | 夏土用 | 秋土用 | 冬土用 |
27° | 117° | 207° | 297° |
となります。
土用の意味
五行思想
元々は中国の五行思想からきています。
五行思想とは、
この世にある全てのものは、
木・火・土・金・水でできていると考えられていました。
五行説ともいいます。
季節も例外ではありません。
- 春・・・木
- 夏・・・火
- 秋・・・金
- 冬・・・水
季節は4つなのに元素は5つありました。
「土」が余っています。
そうです。この「土」こそが、
「土用」のことで、
「土用」は季節の変わり目に充てられることになりました。
これを「土旺用事」といい、
略して「土用」です。
土用の土
土の期間には土を司る神の「土公神」(どくじん・どこうしん)が、
支配する期間といわれています。
仏教の普賢菩薩が本地(本来の姿)とされています。
各地には土公神を祀っているところがけっこうあります。
この期間に土に関することが避けられます。
すなわち、
- 家を建てること
- 修繕すること
- 柱を立てること
- 礎を築くこと
- 井戸を掘ること
- 壁を塗ること
これらが全てできなくなります。
ただ、例外があって、
間日があって、
間日ならこれらをしても良いとされています。
間日は文殊菩薩のお計らいにより、
普賢菩薩が文殊菩薩の住む清涼山に呼ばれて行くために、
土を動かしても土公神の怒りを買わないためです。
ちなみに、
各季節ごとの間日は、
- 春土用→巳・丑・酉の日
- 夏土用→卯・辰・申の日
- 秋土用→未・酉・亥の日
- 冬土用→寅・卯・巳の日
です。
暦の上の日は、
十二支でおなじみの干支(子丑寅卯辰巳午未申酉戍亥)と、
十干(甲乙丙丁戊己庚申壬癸)の組み合わせの、
六十干支(十干十二支・天干地支)で表されます。
ですので、丙午とか庚申といったようになっています。
そのうちの後ろの文字が干支なので、
それが上の表のそれぞれの日に当てはまれば、
前の文字が甲だろうが庚だろうが間日です。