頂きもので、
弔事・不祝儀の掛け紙(のし紙)で「御礼」のついた品物をがあったそうです。
こういう掛け紙(のし紙)はありえるのでしょうか。
御礼はどういうとき
そもそもお礼はどういうときにするものでしょうか。
何かをしたり何かを差し上げたりして、
その感謝の気持ちとして御礼(粗品、心ばかり)を、
何かした先から貰うわけです。
お礼の掛け紙(のし紙)がかかった品物は、
相手からの気持ちということです。
その原因が不幸事だったということです。
というご意見もあるでしょう。
残念。
「志」や「粗供養」は、
「御霊前」や「御仏前」といったものを先に貰っていた場合です。
返礼の意味合いが強いのです。
「御霊前」「御仏前」を貰っていないにも関わらず、
「御礼」をすることはあるのでしょうか。
あります。
生前にその方がお世話になっていた場合です。
今までありがとうございましたという意味で「御礼」とします。
・かかりつけの病院
・お世話になった介護施設
・故人の住んでいた近所の方
・喪主の勤め先 など
しかし、直接的に亡くなったことに関わっているわけではないので、
弔事でも慶事でもない、
いわゆる白のし(水引なし、のしなし)に「御礼」となるはずです。
例外はある
差し上げる側の気持ち次第で、
弔事の掛け紙(のし紙)でも問題ありません。
結局、御礼で渡した場合
亡くなったという話をするわけですから、
分かるのですから弔事でも問題ないのです。
そもそも弔事の場合、
どこを基準に考えるのかということを考えれば、
どうすべきかがわかります。
この場合、亡くなった方を基準に考えます。
亡くなった方の代理をしている施主や遺族の方が、
この場合基準になります。
すると皆亡くなった方のことを想って、
哀悼の意を込めて弔事の掛け紙(のし紙)を使い、
薄墨にするわけです。
ですから施主がいいというならばどんな掛け紙(のし紙)を掛けようが、
品物を差し上げようが問題ないのです。
以前、慶事用のお菓子だったんですが、
亡くなった方が殊の外好きだったという理由で、
慶事用のお菓子に弔事の掛け紙(のし紙)を掛けて、
香典返しとして差し上げた方がいらっしゃいました。
もちろん故人が好きだったのでこのお菓子にしましたという、
説明はしたということなのですが、
もし、これが逆なら大変なことになるでしょう。
でも施主がそれでいいというのだから文句を言われる筋合いはないのです。
要するに
- 生前お世話になった方に白のしで「御礼」で渡す
- 「弔事(不祝儀)」でも問題ない
- 施主(亡くなった側)がそれで良いといえば問題はない