掛け紙(のし紙)

【こんなときどうする】御詫び・陳謝・深謝の使い分け


何かをしでかしてしまったとき、
個人でも団体でも非を認めて謝ることもあるでしょう。
謝るときの表書きに、
御詫び」「陳謝」「深謝」があります。
どのような違いがあるのでしょうか。
もちろん厳密に誰かがランク分けしたマニュアルがあるわけではありません。
しかし、カザマツリの販売員として、
15年に渡る色々なお客様とのやりとりで感じて、
このように分類しているという経験上の基準です。
ですので机上の空論ではない
実際の現場の声を反映したものであるということで、
参考にしていただければと思います。


誠に申し訳ありません~謝り度レベルは正確に

概要

レベル分け

色々な言葉はありますが、
おそらくこの3つに集約されると思います。
御詫び」「陳謝」「深謝」です。
この3つのお詫びの深さは、

御詫び  陳謝  深謝

このようになります。

掛け紙(のし紙)

基本的には、
紅白水引5本のしあり花結び(蝶結び)
で問題はないはずなのですが、
謝罪に行っているのに、
紅白とは何事かという印象を持たれることもあるかもしれません。

そうならないように、
御詫び」なら紅白でかまいませんが、
陳謝」「深謝」は水引なしのしなしの通称白のしが良いでしょう。

ちなみに、
御詫び」の紅白水引5本のしあり花結びは、
結び切りではありません
お中元お歳暮お礼などと一緒で
今後とも末永いお付き合いをという意味が入っているからです。

もちろん、
御詫び」も白のしにしても構いません。

御詫び

御詫び」は些細なことから、
相手が怒っていることまでとかなり、
広い範囲で使うことができます。

多少「陳謝」と被っているかもしれません。
言い換えると「陳謝」の方が、
御詫び」よりも謝罪の方に重きを置いているのかもしれません。

様子を見るのなら「御詫び」の方が良いでしょう。
また、
このようなことになりましたが
これに懲りず今後ともまたよろしくお願いいたします。」
という意味合いが強いので、
掛け紙(のし紙)としては、
紅白5本水引のしあり花結び(蝶結び)の、
これからも末永くお願いします的意味の掛け紙にすることが多いのです。

掛け紙概要としては、
こちらもご覧ください。

陳謝

陳謝の意味を国語辞典で調べると、

事情を述べてあやまること。

三省堂 大辞林 第三版より

となっています。
つまり、
まだ申し開きのできる状態であるといえます。
申し開きのできる状態であるであるということは、
レベルは一個下といえます。

ほとんどの場合の掛け紙(のし紙)は、
水引なしのしなしの通称白のしです。
紅白の掛け紙(のし紙)よりも謹んだ贈り物になっています。

しっかり謝罪をしつつも、
こちらの状況も理解していただくという意味の贈り物ととらえるのが良いでしょう。
掛け紙(のし紙)の概要としては、
こちらもご覧ください。

深謝

深謝の意味を国語辞典で調べると、

  1. 心から感謝すること。
  2. 心から詫びること。

三省堂 大辞林 第三版より

となっています。
もはや申し開きのできる状態ではなく
心から詫びるレベルであるということになります。

通常このレベルの謝罪をしに行くというのはなかなかなく
例えるなら、
犠牲者が出ている又は、
被害者が出ている状態です。

この状態であればもはや通常の謝罪では済まず、
一旦、迅速な御詫び」か「陳謝」を法人であれば担当者がして
その後に被害状況の調べがついた後に、
深謝」を法人であれば総責任者がするといったところでしょうか。

その為、
大した事でないのに、
深謝」にするのは避けたほうが良いです。
どう見ても下っ端が「深謝」を持ってくると、
バカにしているのかとなるのです。
お分かりいただけたでしょうか。

御詫び」「陳謝」は迅速さが重要です。
深謝」は迅速さよりもどういうひどいことをしてしまったか、
どういう被害を与えてしまったかをその件に対して、
責任のある方からのすべて把握したうえでの正式な謝罪をする場合の表書きです。

ですので、「深謝」で用意したことは、
15年間で一度か二度くらいではないかと思います。

掛け紙(のし紙)の概要としては、
こちらもご覧ください。

【基本の表書き】深謝

表書き一覧へ戻る 概要 何か相手に対してしてしまった非礼に対するお詫び。 お詫びの言葉は三段階あり、 用途に応じて使う。 御詫び < 陳謝 < 深謝 水引なし、のしなしの通称白のしのほうが良い。 深謝 ...

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こぼれ話

迅速さと正確さ

御詫び」「陳謝」は迅速性が求められます。
謝罪に伺う直前に実店舗で買って持っていくのが良いでしょう。
通販ですと数日のタイムラグが発生します。
その為迅速性には欠けます。

深謝」はそれなりに時間はあります
正確な被害把握が必要になるからです。
センスの良い品物を選びたいですね。

品物の選ぶ目安

以前、
とある百貨店の食品フロアの責任者の方に、
御詫びするなら、
重くて小さくて地味なものがいい」
と言われたことがあります。

重さで反省の重さを示しているわけではないでしょうけれど、
かさばって軽い派手なものは、
希薄な感じがしないでもないです。

最終的な好みなのでそれは何とも言えませんが、
とらやの羊羹がお詫びのイメージなのはそのためかもしれません。

費用

御詫び」→2,500円~5,000円
陳謝」→2,500円~5,000円
深謝」→3,500円~1万円

くらいでしょう。
あまり高すぎないものの方が良いです。
あまり高いと物で釣っていると思われてしまいます。
ですのであくまで品物です。
現金や金券はお金で丸め込もうとしていると捉えられてしまいますので、
やめた方が良いです。

意外と分かっていない方が多いのですが、
補償や損害賠償とは別の、
あくまでお詫びの手土産であるということをご理解ください。
この後損害を払うのでと、
500円くらいの、
それこそかさばって、軽いものを、
止めたにもかかわらず買って行かれた方がいらしたことがありますが、
話がこじれたそうですので。

深謝」の価格が高いですが、
やはり責任者が持っていくというと、
れなりに贈り物の格が上がるためです。
それでもあまり高すぎないほうが良いでしょう。

要するに

  • 「御詫び」はご迷惑おかけしましたから申し訳ありませんまで
  • 「陳謝」は謝罪しなければならないが申し開きのできる状態
  • 「深謝」は容易く使えるものではない
  • 「御詫び」「陳謝」は迅速さが重要
  • 「深謝」はすべてのことが判明した上で責任ある人から
  • いずれの場合も金銭を包むのはご法度
  • 表書きは目安誠心誠意謝るのが重要



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