誰からもらったかしか見ていない掛け紙(のし紙)ですが、
最近では配送されてくるから、
配送伝票だけ見て包装紙と一緒に一気に破る方も多いようです。
掛け紙の種類と意味を知ろう~紅白編
花結びと結び切り
紅白の掛け紙の大前提
大前提として紅白はおめでたい事ですね。
白黒とか黄白はご不幸事です。
では、謝りに行くときは?
紅白ですか? しでかしの規模によってはかえって謝る前より怒られます。
白黒ですか? けが人が出たことによって謝りに行くなら訴訟問題に発展しかねません。
答えは「のしなし、水引なしの掛け紙にお詫びと入れる」です。
のしがなくて水引がないということは真っ白い紙です。
奉書紙という言い方もしますし、
百貨店内のいい方としては通称白のし。
のしがないのに白のし。
それはさておき、
このように掛け紙(のし紙)には用途により使い分けなければなりません。
先ほどのお詫びの場合、
子ども同士のちょっとしたふざけあいで起きたけがの、
お詫びとかそういう程度であれば、
紅白花結びで、「心ばかり」「粗品」とすることもできます。
ただ、これは本当に大ごとになっていない場合です。
逆に大したことないのに大げさにすると、
バカにするなということになってしまいます。
慇懃無礼になってしまうからです。
花結び
花結びとは
ここでは紅白の掛け紙(のし紙)について見ていきましょう。
中央部に2色のラインが引いてあります。
これを水引といいます。
紅白は大きく分けて二つに分かれます。
別名「蝶結び」とも言います。
用途としては何度あってもよいおめでたい事に関して使います。
一度結んだところにもう一度くぐっているので、
そういう意味になりました。
また、おめでたいことではないけれどもお中元、お歳暮にも使われます。
細かく言うとお中元やお歳暮も今後も付き合っていきますよ。 という意味なので、 あなたとの縁が嬉しいのでその感謝の印です的な意味合い=紅白花結びということにはなるのです。
5本
一般的なお礼やお祝い、お中元お歳暮などに使います。
花結びは基本的には5本のものしかありません。
結び切り
結び切りとは
一度しかあってほしくない場合に使います。
一度結んでいそこで終わっているので。
そして水引の数も用途によって変わります。
基本は5本と10本です。
応用したもので7本と3本もあります。
(ありますと言ったものの話には聞いたことがありますが3本は見たことないです。)
5本
一度しかあってほしくない事に使います。
主に病気で入院した時のお見舞いで使います。
10本
主に婚礼の時に使います。
夫婦水引といって男女二人が合わさるために、
5本が2組で10本です。
補足
水引の本数で3本と7本があると書きましたが、
これは5本の発展版です。
3本は5本の簡易版と思っていただいて良いでしょう。
用途としては簡単な「お礼」や「粗品」(心ばかり)、「記念品」といったものなら、
問題ないと思います。
7本は5本よりも丁寧であるという意味だと思っていただいて良いでしょう。
掛け紙に描かれているものは何?
水引
花結びと結び切りのところでも出てきましたが、
真ん中のラインが「水引」です。
元々は和紙で作られたもので、
高めのご祝儀袋とかだと印刷ではなく紙の紐でできていますね。
(安いものは輸入品ですが)
本来は日本の伝統工芸の一つで加賀水引が有名です。
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水引といってもご祝儀袋に使うものばかりではなく、
上のリンクのように工芸品やアクセサリーとしても作られています。
辞書で調べると水引というのは、
進物用の包紙などを結ぶさいに用いる紙製の糸。和紙を縒(よ)って長いこよりをつくり,これに米のりを引いて乾かし,普通は5本並べて中央の部分をはりつけてつくる。水引の名は〈水のりを引くこと〉に由来するという。進物に白紙をかけ,水引で結んでのしをつける礼法は,室町時代に盛んになり,江戸時代に形をととのえたが,中の物品の種類や目的(吉凶)によって水引の色の配置や結び方を変えるようになった(図)。色はもとは白一色であったが,しだいに左右半分ずつに分けて,金銀,紅白,黒白などに染め分けた。
世界大百科事典 第二版(平凡社)より
このようなもののことを言い、
先ほどのリンクは水引を作る技法を応用した工芸品ということになるでしょう。
のし
のしはいくつか種類があります。
あわびのし
かつてアワビを薄く切りのして伸ばしたものを干した「のしあわび」を
長寿などのお祝い事に使っていました。
現在でも結納などで使ったり、
長寿のお祝いで使ったり神事に使ったりすることもあるのですが、
この「のしあわび」のことを「のし」というように変化しました。
ということで「のし」の基本形です。
この「のし」が生もののことを表しているので、
生ものや海産物(鰹節などを含む)に「のし」はつけません。
わらびのし
春になると真っ先に土から、
力強く出てくる「わらび」の生命力にあやかり、
海の幸に対して山の幸の「わらび」が「のし」となった説と、
「のし」という字を変化させていくと、
わらびの形に見えるからとされています。
飾りのし
主に婚礼用として使われ、
基本の「あわびのし」を装飾したものです。
おめでたい松竹梅をあしらったものが使われていましたが、
現在では様々なデザインがあります。
「のし」が付く場合は、
おめでたいことを意味するので、
「結び切り」「水引5本」の病気などの「お見舞」は、
もう少し掛け紙(のし紙)のことを知ろう
ここまでというかこのブログの文章は
(ところどころ忘れているところもありますが)
掛け紙(のし紙)
と書かれています。
皆さんは「のし」というと、
これまで散々述べてきたあの紙のことを指していると思いますか?
「のし」とは掛け紙の一部のことで紙全体のことは掛け紙といいます。
「のし紙」とは「のし」が書かれた紙であり
「のし」書かれていない紙のことは「のし紙」とは言いません。
けれども、掛け紙ものし紙も目的は一緒です。
どちらも贈り物の目的を表現した紙です。
そのため徐々に混同され始めどちらの意味合いも持つようになり、
さらに「のし紙」の「紙」が省略されて現在は「のし」という人もいますが、
一応掛け紙のプロを自称しているカザマツリは「のし」は使わないようにしています。
そういえば、紅白でない水引のご祝儀袋を見た!
紅白でないご祝儀袋もありますが、
問題はないのでしょうか?
売っているんだから問題はありません。
そういってしまうと元も子もないのですが、
緑は亀や松といったおめでたいものからきている色なのです。
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そのほかにも金と銀だったりいろいろありますが、
金=紅、銀=白として使ったりして、
おめでたさを際立たせているのです。
ただし、黒や黄色は不祝儀で使う色なのでご祝儀には使えません。
花結びでも結び切りでもないあわじ結びって何?
これがあわじ結びです。
一般的には結び切りの一種とされています。
しかし、地方によって年代によって解釈が変わります。
関東では結び切りよりももほどけにくい結び方なので、
結婚の場合はあわじ結びにすべきとされています。
関西では親子の絆が堅く結ばれるよう、
出産祝いでも使うとか、
色々な解釈がありどれが正しいのか、
もはやよくわかりません。
百貨店でも、
あわじ結びの掛け紙(のし紙)は持っていないところもあり、
カザマツリとしては花結びと結び切りだけで、
あわじ結びまで手を出す必要はないのではないかと思います。
要するに
- 紅白掛け紙は「花結び」と「結び切り」の2種類
- 「花結び」は何回あっても良いお祝いと多目的
- 「結び切り」「のしあり」は一度きりが良い結婚に使う
- 「結び切り」「のしなし」は一度きりが良い入院などのお見舞いに使う
- 「のし」が生ものの意味なので生ものや海産物には「のしなし」の掛け紙を使う
- 色々なバリエーションがあるけど基本を覚えておけば大丈夫