暦を見ていると、
二十四節気と七十二候と雑節が出てきます。
特に説明はありませんけれどこれは常識の範囲なのでしょうか?
この三つの関係性を見ていきましょう。
大まかな話
1年という大きなくくりの中に、
季節のくくりがあります。
季節のくくりの中に二十四節気があり、
その中に七十二候があり、七十二候の中に雑節があるという感じです。
1年>季節>二十四節気>七十二候>雑節
季節の中にも変化がありそれを二十四節気で表しています。
でも二十四節気でも不十分なので、
七十二候で補足し、
その中でも特に補足したほうが良い、
特別な日を雑節で表しています。
二十四節気
二十四節気は1年を24分割したものです。
季節であれば各季節ごとに6分割したものです。
二十四節気は平安時代に日本に伝わりました。
元は中国で農業カレンダーでした。
農業カレンダーがどの程度メジャーなものかが、
言ってみて不安になりましたが、
農協さんが組合員の農家の方に、
いつ種まきでいつ苗を植えるかを表した、
年間計画表のことです。
中国では春秋戦国時代(紀元前770~221)に、
黄河流域で作られたと言われています。
2016年に中国の無形文化遺産に登録されました。
現在では太陽の動き(黄道)を計算して算出されます。
春分が基準でこれを0°とします。
この基準の位置を春分点といいます。
七十二候
二十四節気をさらに3分割したのが、
七十二候です。
二十四節気はおよそ15日間ですので、
七十二候はその3分割なので5日間くらいです。
中国で生まれてほぼそのままの形の二十四節気に対し、
七十二候は何度か改良されています。
江戸初期に天文学者で暦学者の渋川春海(1639~1715)らにより、
本朝七十二候が作成され
現在の七十二候は明治7年(1874年)に編纂された略本暦の、
七十二候が使われています。
そのため中国の七十二候と日本の今日のものは内容が異なります。
雑節
固定してピンポイントでこの日という、
季節の節目の日などのことです。
主に農業に用いられることが多いです。
節分、彼岸、社日、八十八夜、入梅、半夏生、
土用、二百十日、二百二十日の9つです。
9つと言っても、
彼岸は春と秋にありますし、
社日も春と秋にあります。
土用は季節ごとにあるので実質は14個でしょうか。
雑節は中国にはなく、
日本独自のものです。
二十四節気や七十二候を踏まえて進化したものが雑節なのです。
ちなみに、
「初午」「三元(上元・中元・下元)」「大祓」も含む場合があります。
今回はざっくりと概要を説明するので踏み込んだ説明は控えますが、
こんなところでしょうか。
要するに
- 季節を詳しく説明したのが二十四節気
- 二十四節気をさらに詳しくしたのが七十二節
- 七十二節の補足が雑節
- 古代中国で生まれた二十四節気
- 古代中国で生まれて日本で進化した七十二節
- それらから日本で独自に生まれた雑節