八朔とは雑節の一つで、
旧暦の8月1日の事です。
二百十日、二百二十日とともに三大厄日と言われていますが、
そもそも八朔とは何の日なのでしょうか?
9月とはいえ暑いのに~八朔
八朔とは?
八朔とは、
旧暦8月1日のことです。
元々は、
八月朔日のことを指していました。
朔日とは新月の日のことで、
旧暦では新月の日を一日としていたためです。
2020年~2022年の八朔は?
- 2020年(令和2年) 9月17日木曜日
- 2021年(令和3年) 9月7日火曜日
- 2022年(令和4年) 8月27日土曜日
- 2023年(令和5年) 9月15日金曜日
年によって日にちがバラバラなのは、
仕方のないことです。
旧暦の1か月と新暦の1か月は、
1か月の長さが異なります。
新暦は現在の暦ですから、
4,6,9,11月が30日まで、
1,3,5,7,10,12月が31日まで、
2月が28日までで、
4年に一回29日までですね。
一方旧暦は先ほど述べた通り、
新月が1日に必ずなります。
月の満ち欠けのサイクルは約29.5日です。
この約というのがポイントです。
一か月は29日の月と30日の月が存在し、
31日の月はありません。
そうすると1年は354日ということになり、
実際の公転周期、
つまり太陽の周りを一周する時間である約365日よりも短くなります。
この「約」のせいで新暦でも4年に一度、
閏日があるのに、
旧暦の場合は11日間の差が生まれます。
それを解消するために閏月があります。
13月があるわけでなく、
どこかズレの大きいところで、
例えば2020年の場合なら、
閏4月が4月と5月の間に挟まれました。
どこかに挟み込まれる閏月が、
19年に7回くらい。
およそ3年に一度くらいのペースで発生します。
その為日にちが前になったり後ろになったり変動するのです。
田の実の節句
元々の八朔は、
早稲の穂(品種・時期・その年の気候などによって変わります)を、
お世話になった方や恩人に贈る習慣がありました。
これを田の実の節句といいます。
田の実を頼みと読み替えて、
武家や公家でも日頃お世話になっている方へ贈り物をするようになりました。
こうして八朔という日の行事が大きくなっていき、
地方によっては「八朔祭」という形になっていきます。
元々の意味の通り五穀豊穣を願ったものや、
お世話になった方への感謝を込めたものなど、
地方によってまちまちです。
そして全国に点在しています。
あのハッサクとの関係は?
原産地
ハッサクは江戸時代の末期に、
現在の広島県尾道市田熊町にある、
浄土寺で原木が発見された柑橘類です。
収穫期
八朔の時期から食べられるようになるというのが名前の由来ですが、
実際のところは12月頃から2月頃収穫され、
1か月から2か月ほど貯蔵され、
酸味を抜きます。
木に成らせたまま熟成させる方法もあり、
その場合は3月頃まで成らせたままにします。
特徴
現在主流な、
酸味のない甘い皮ごと食べられるという果物とは一線を画しており、
柑橘類特有の酸味と、
個々の房を包むじょうのうもしっかりしていて、
そのまま飲み込むのは困難です。
若干の苦みがありますが、
加熱すると苦み成分が増すため生食に向いています。
生産地
上の円グラフは出荷量のグラフです。
原産地は広島県ですが、
現在生産が最も盛んなのは、
和歌山県です。
7割以上が和歌山県です。
ちなみに内訳です。
八朔は厄日じゃない
八朔は旧暦の日にちからきているものであるが故、
日にちが変動します。
そのためこの時期多くなる台風にあたりやすく、
厄日とされているのかもしれませんが、
本来の八朔は五穀豊穣を願ったり、
お世話になった人へ感謝を伝えたりと、
非常に理知的な日なのです。
二百十日、二百二十日とは成り立ちからして違いますね。
お中元、敬老の日に贈り物をしそびれたあなた。
由来を説明するとともに、
八朔に感謝の気持ちを送ってみては?