歳時記

半夏生~七十二候と雑節がかぶるとき

KOHARUSANさん暦の上の日の雑節と、
七十二候の二種類の半夏用があります。
それぞれどんな日なのでしょうか。

夏はすぐそこ~素肌にキラキラ半夏生

  1. 雑節の半夏生
  2. 七十二候の半夏生
  3. 半夏生はいつ
  4. 夏至とは



雑節の半夏生

概要は

素肌にキラキラ半夏生は、
ついさっきまでそう思い込んでいた、
松田聖子さんの「青い珊瑚礁」の歌詞の一部です。
半夏生だからと確認したら、
素肌にキラキラ珊瑚礁」でした。
「しょう」しか合ってない。

読み方としては「はんげしょう」と読みます。
かつては夏至から数えて11日目。
現代では太陽黄道が100°の点を通過する日ので、
大体7月2日ごろを半夏生といい、雑節の一つです。
太陽黄道と雑節の説明は入梅のページをご覧ください。

太陽黄道は後半の方です。

かつては稲の品種が低温に弱いものばかりだったので、
田植えは夏至から半夏生までに終わらせるというしきたりというか、
決まりというか、習わしがありました。

共通して言えることは、

  • 半夏生までに農作業を一区切りさせる
  • 半夏生後数日間は出歩かない

ということです。

半夏生にするコト

主な事としては

  • 半夏生を境に5日間は農作業をしてはならない
  • 天から毒気が降るので井戸に蓋をする
  • その5日間は収穫をしない・山菜を取りにいかない
  • 妖怪が徘徊するので出歩かない
  • 半夏生餅をお供えする・食べる

といったところでしょうか。
もちろん地域によって違うことをするところもあります。

ところで半夏生餅とは何でしょうか。


小麦で作った餅をきな粉でまぶしたものです。
(地域によって若干異なります)
こういった半夏生餅を田んぼの四隅に備えてから食べる
普通に作って食べるという風習が、
関東地方、奈良県、和歌山県にあります。

芒種くらいまでに麦の収穫が終わっているので、

麦がこれだけ豊作でした米も引き続きよろしくお願いいたします。

という願いがこもっています。

そして関西ではタコを食べます。
この時期のタコは産卵期を迎えていて、
淡白で柔らかいのが特徴ですが、
タコの足のように稲が四方八方にしっかり張るようにという願いで、
食べられているようです。

タコの説明に関しては、
夏至のページに詳しく書いてあります。


こう見ると雑節の半夏生は、
どちらかというと物忌みの日であったと言えるかもしれません。

七十二候の半夏生

概要

そもそも七十二候は二十四節気の期間を、
5日ごとに区切ったもの
で、
その頃の気候や動植物の変化を短文でまとめられています。

カラスビシャク(烏柄杓)

発祥は古代中国ですので、
中国にもあります。
中国の七十二候は日本のものとは、
若干違います。

半夏生は、
はんげしょうず」と読み、
半夏はカラスビシャクのこと。
カラスビシャクが生えるという意味で半夏生と言います。
カラスビシャクは薬草で、
漢方薬の半夏のことです。

漢方薬にするのは、
根の部分根茎と呼ばれる部分を乾燥させます。
花が咲いているところ

薬日本堂 漢方ライフ スクリーンショットより

半夏は吐き気や嘔吐、不眠改善や咳止めなどに使われ、
嘔吐の症状なら生姜などと組み合わせることによって効果を最大限に引き出すので、
止瀉の要薬ともいわれています。

茎の部分はつわりに効くと言われていますが、
カラスビシャクは生のままでは毒がありますので、
自分で加工して服用はしないでください。

上の画像の通り、
半夏には穴が開いています。
これがへそのように見えることから、
へそくり」と呼ばれ、現代のへそくりの語源であると言われています。

農家の方が半夏生を干して薬屋へ売って、
副収入に充てていたからだとされています。

これが生え始める頃が半夏生なのです。

似た名前で、
そのまま「半夏生」という野草があります。

この時期に花をつけますが、
花の周りの葉だけ、
葉の半分くらいが白くなります。
花びらと同じく虫を呼び寄せるためであるとされています。

半分だけ化粧をするから半化粧。

花の周りの葉が花びらのように変色するのは、
ドクダミと一緒です。

半夏生も毒があります。
薬としても使われており、
利尿作用、解熱、解毒、腫物に効果があるのですが、
やはり素人が手を出せる代物ではありませんので、

自分で加工して服用しないでください。

にとあさん

ドクダミ

物忌みの日

物忌みとは日常的な行為を控えて、
穢れや災厄などから逃れることを言います。

これには自らを穢れから逃れようとする目的と、
(半夏生、節分など)

神聖な存在へ穢れを移さないようにする目的があります。
(正月、例祭など)

半夏生は例に挙げた通り自らを穢れから逃れようとする目的です。

半夏生の日には毒気が天から降るとされていて、
井戸に蓋をして、農作業を控え、
極力外へ出ないとされています。

この場合の毒気とはあらゆる災いを及ぼす、
目には見えないけれども、
黒く澱んだ気のような存在のことを言います。

地域によっては、
半夏生以降に田植えすると1日につき1粒ずつ収穫量が減る。(青森)
竹の花を見ると死ぬから外へ出ない(埼玉)
半夏生にとれた野菜は食べないといった言い伝えがあります。

またハンゲという妖怪が出るので外に出ない(三重・和歌山)
といった見えない力が働いているので、
おとなしくしていなくてはいけないという言い伝えもあります。

半夏生はいつ

七十二候

  • 2020年 7月1日(水)~6日(月)
  • 2021年 7月2日(金)~6日(火)
  • 2022年 7月2日(土)~6日(水)

雑節

  • 2020年 7月1日(水)
  • 2021年 7月2日(金)
  • 2022年 7月2日(土)

半夏生の時期は農作業がひと段落し、
体を休めて栄養をつけるために、
タコを食べたり、
収穫した麦を使って半夏生餅を作ったり、
サバを食べたり(福井)
して外へ出ないで家でゆっくりとするとされていたようです。

農家の方はやはり外へ出てしまうと、
畑が気になる、稲の発育が気になる。
働いてはいけないと分かっていても、
体が動いてしまいます。
また倹約家も多いですから、
食べてくださいと言われても節約のため食べないということもあるでしょう。

しかし、物忌みの日にすることによって、
外には出ないし、
食べる風習にすることによって、
普段は食べない栄養価の高いそれなりに値の張るものでも、
食べるようになるということがあるのだと思います。

要するに

  • 半夏生は物忌みの日・期間とされている
  • それは春から続いた農作業の一区切りの意味がある
  • またここまで働き詰めだった体を休ませる意図があった
  • 半夏生は梅雨の後半にあたり後半は大雨になりやすいということもあるかも

半夏生に降る雨は半夏雨といい、
しばしば豪雨になりがちです。
全国広い範囲で被害を受けた平成30年7月豪雨や、
平成29年7月九州北部豪雨もこの時期に降ったものです。
近年は災害が起きるほどの雨が降りやすくなっているので、
警戒が必要です。



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