掛け紙(のし紙)

【絶滅危惧種?】粗品という贈り物はなぜ衰退したのか?【新しい表現も】

あなたの粗品のイメージは?

贈り物をするとき掛け紙(のし紙)はどうしていますか?掛けないという選択肢もありますけれど、正しい掛け紙の判断ができる大人になればあなた自身の株も上がりますよ。

粗品は絶滅危惧種・・・?

  • 粗品とは
  • 使われなくなった原因は
  • とらえ方の問題も
  • 言い換えた表現

粗品とは

昔はよく見かけた「粗品」ですが今では、漫才師の名前くらいでしか見かけなくなりました。あまりにもいろいろなものに使いすぎて使いづらくなってきたというのが販売現場で感じる印象でしょうか。ではそもそもの意味はどういう意味だったのでしょうか。

そ しな【粗品】

粗末な品物。他人に贈る物をへりくだっていう語。そひん。「-贈呈」

三省堂 大辞林 第三版

国語辞典で調べるとそのままズバリの説明が載っていました。へりくだった言い方、謙遜した謙譲語です。へりくだるというのは自分の立場を低く見せて相手を敬うことです。なので、本当は良いものなのに、

あなたのような立派な方にとっては粗末なものかもしれませんが、私が差し上げられる精一杯のものです。どうか、お納めくださいませ。

という意味を込めて「粗品」としたのです。とっても日本的な話ですね。

なぜ使われなくなったのか

そんな「粗品」ですが、販売現場で使うことはほぼありません。勧めてもそれでいいよというお客様はほとんどいらっしゃいません。一様に皆さん表情が曇ります。「粗品」という表書きにいい印象がないのです。

これははっきりと公式見解が出ているわけではありません。色々調べたり話を聞いたりした結果なので、そうではないという見解があるかもしれませんが、と注意書きをしたうえで。

元々の意味としては先ほど書いた通りへりくだった言い方でした。ところが昭和の時代、企業が高度経済成長期になり、それなりに販売促進費というものを使って記念品を配るようになりました。今でもあるのは新聞の勧誘に使われる洗剤やビール券などです。

そしてそこまでいかなくても販売促進費を使って記念品は様々な業種で配られるようになったのです。年配の方の中には聞けば昔は銀行で口座を開けば貯金箱やらラップやら貰えたということを覚えていらっしゃるかもしれません。年末になれば酒屋からカレンダーがもらえた、お正月になったらタオルがもらえた。企業によって記念品に掛けられ予算は違います。高いところから低いところまで。その記念品についていた掛け紙(のし紙)が「粗品」だったのです。そしてそれが当たり前となりました。

時代は高度経済成長が終わり、バブル経済が終わり、長い経済低迷期を迎えます。企業が使える販売促進費は減りましたが記念品はそれでも細々と生き残りました。やはり掛けられる予算が減るとその分クオリティは下がるものです。すっかり「粗品」=「名前の通り雑な記念品」というイメージになってしまいました。

書けないボールペン、薄いタオル、破れやすいごみ袋。

そういったことから「粗品」という表書きを選ぶことは躊躇されるようになってきたのではないでしょうか。

捉え方も変わりました

そういったことから粗品のイメージは本来の意味からかけ離れていきました。日本人の意識も変わってきたのかもしれません。へりくだった言い方というものが通じなくなりつつあるのです。昔から贈り物といえば「つまらないものですが」「お口汚しですが」と贈り物を渡すイメージですが、昨今は違うようで、文句を言われても困るので伏せますが、とあるビジネスマナーサイトからの抜粋です。

最近は聞かなくなりましたが、「つまらないものですが…」という常套句は、言われてあまり気持ちの良いものではないので、「心ばかりの品ですが」「お口に合えば良いのですが」など、相手を配慮するような言葉を選びましょう。

某マナーサイトより

謙譲語を言われて気持ちの良いものではない。これは衝撃的です。謙譲語という言葉の存続危機ではと思ってしまったのですがどうなんでしょうか。

そういうこともあり、こちらはへりくだったつもりだったのに相手はそのままとらえてしまい話が成り立たなくなったということで、記念品ではない贈り物としての粗品は虫の息となってしまいました。

もう粗品は使えないのか?

結論から言うと、もうこうなってしまうとあまりお勧めできない表現となってしまいました。粗品=記念品の貰う側のイメージと、粗雑なものならいらないと思うのではないかという渡す側イメージが出来上がってしまっているので、これはもうちょっとやそっとのことでは崩れません。それこそ漫才師の粗品さんに頑張っていただく…のもどうにもならないか。

うーん。どうにもなりません。

最近、といってもカザマツリが販売員になった15年前くらいから徐々にですが、ここ数年は完全に「粗品」ではなく「心ばかり」という表現に変わってきました。

先ほど引用したマナーサイトにも「心ばかりの品物ですが」「お口に合えば良いのですが」と相手を配慮した言葉で渡しましょうと書かれていました。

現在では「心ばかり」が「粗品」に変わって、「粗品」の意味を担うようになりました。

ちょっとした贈り物というのはそんなに高価でないもの。かといって駄菓子的な値段のものではなく3,000円以下くらいのものでしょうか。これを超える場合は「心ばかり」よりも「お礼・御礼」や「ご挨拶・御挨拶」といったほうが良いです。

「粗品」と変わったのは、「粗品」はお礼状をつけることはありませんでしたが、「心ばかり」はお礼状をつけるのも問題ないようです。贈り物を直接持参するのではなく配送でという世の中の流れも関係してこのような変化をしていったのではないでしょうか。また「品」が付くので品物にしか使えなかったのですが、「心ばかり」は使えます。どちらかというと「心ばかり」は「粗品」よりも「松の葉」の意味合いに近いかもしれません。

掛け紙は、紅白・花結び・のしありが良いでしょう。

花結び・水引5本・のしあり

と、以上が現場での対応としてとられていることからの考えや調べたりしたことのまとめです。学者の先生からするとこれはいけませんと指摘されるかもしれませんが。

要するに

  • 粗品=安い記念品になってきてしまった
  • 受け取る側が謙譲語として捉えて貰えなくなった
  • 粗品という言葉が風前の灯火
  • 粗品に代わって心ばかりが使われている
  • 心ばかりの方が汎用性がある
  • 個人的には粗品という言葉の立ち位置は好きなんだけれどな

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